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更新2022/06/08
電子工作するうえで壊れやすい、危険というCRDの配線も当然あります。
本章は、実際に配線してみようとした場合に起こるかもしれない「壊れる使い方」です。
実は、現場ではこちらの方が有益だったりします。
この配線はLEDと並列にCRDを挿入配線しています。
一見問題なさそうですが、LEDに流れる電流を制限するものが何もないので、LEDは過電流であっという間に壊れてしまいます。
CRDは自分自身で電流を制限しますので電流では壊れませんが、バッテリーの電圧が全て印加されるので、CRDで消費する電力に問題がでてきます。
もし、消費電力値がCRDの耐えられる値以上だったとすると、LEDと同じように焼けて壊れてしまいます。
ベテランでもポカミスでやってしまうことのある接続です。
CRDが流したい電流の方向とは逆の向きに接続されています。
この場合、CRDは普通のダイオードと違い逆方向の電流は阻止してくれません。
CRDの仕様を見ると、普通のダイオードと異なり逆方向にも電流が流れます。
そして、その電流は数十mA程度しか耐えられません。
つまり、逆方向の接続では定電流機能が発揮できないため、CRDまたはLEDが壊れてしまう可能性が高くなります。
ちなみに、2ケのCRDをお互い逆方向に接続すると、両方向で定電流化することができます。
逆方向になっているCRDが壊れる電流以下に定電流化するわけです。
こういう使い方は、交流を電源として使用する場合よく用いられます。
これは、CRDの使い方の一つで良く取り上げられている方法です。
では、何が問題になるのでしょうか。
問題となりやすいのは、実は発熱です。
CRD 1ケあたりの発熱量は少なくとも、それが何ケも集まると大きな発熱になります。
CRDも抵抗と同じく 電圧x電流分 の発熱はしますので、CRDをテープ等でぐるぐるまとめているような場合や、狭い空間におしこめている場合は、熱が逃げにくいため温度がどんどん上がっていきやすくなります。
よくある方法といえども注意が必要です。
この場合は、壊れる使い方というよりは、意味ないかな?という使い方になります。
上記回路の場合、ピンチオフ電流値の低い方のCRDが有効になります。
例えば、10mAと20mAのCRDを使ったとすると、定電流値は低い方の10mAになります。
そして、電圧のかなりの部分が10mAのCRDにかかることになります。
尚、同じ仕様のCRDを直列にした場合は、ピンチオフ電流値が同じなので特に問題ににはなりません。
この配線の低いCRD1ケだけの場合とほとんど変わらないということで意味のない配線です。
例外として、耐電圧を増やす目的の場合はCRDを直列にしますが、その場合は同じ仕様のCRDを用いて、かつ個々のCRDと並列にツェナーダイオードを接続します。