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更新2022/06/22
反転増幅器は、オペアンプの代表的回路構成の一つで、入力電圧の逆相の電圧を出力する回路です。
反転増幅器の回路と入出力の関係式を 以下に示します。
すばらしいことに、反転増幅率の増幅率は「-R2/R1」となり、2ケの抵抗の比だけで一義的に増幅率が決まります。
外付けの抵抗だけで確定した増幅率を任意に設定できるので、アナログ回路として非常に使い勝手の良い回路です。
負帰還というすばらしい技術。
増幅率の大きいオペアンプを、そのまま増幅回路として使うと、どんな信号を入力しても出力がプラスかマイナスに振り切ってしまいます。
しかし、反転増幅器のように出力の一部を入力に戻す負帰還を行うことで、トランジスター等の単品では実現が困難な、理想に近い色々な種類のアナログ回路を作ることができます。
オペアンプがアナログ回路によく使われる理由です。
理想的なアナログ増幅器の反転増幅器ですが、他の回路と組み合わせる場合に注意しなければならない点があります。
入力インピーダンスの低さです。
前段回路から見ると、自分の出力に反転増幅器の入力インピーダンス分が接続されていることになります。
そして、反転増幅器の入力インピーダンスは、見かけ上R1(数百Ω~数十kΩという低い値が多い)になります。
R1という余分なものがあっても、前段回路が期待通りに出力できればよいのですが、R1が低いと引きずられて期待値とは異なる出力電圧・電流になるという悪影響が発生する場合があります。
反転増幅器を使う場合には、入力インピーダンスが前段にどの程度影響するのかを見極めて使用することになります。
例えば、高出力インピーダンスのセンサーをこの反転増幅器に接続する場合は要注意です。
プラス側電源しか用意できないような単電源では、ここで表示した回路では、オペアンプが負電圧を出力できないため入力Eiが0V以上では作動不可能です。
Eiに0V以上の正電圧を入力した場合は、出力電圧Eoは0V近辺に張り付くだけで変化しません。
よって、単電源の場合は、オペアンプの+端子の基準電位をGND以上にするなどの対策が必要です。
参考:オペアンプを単電源で使う
ここでは、結果だけ記載していますが、オペアンプの計算式を自分で作って解いてみることをお勧めします。
電子回路全般に言えますが、自分で計算式を作ることで回路の特徴や制限などがより深く理解できるようになります。
ただ、勘違いしないでほしいのですが、コピペ自体が悪いという意味ではないですよ?
そもそも、勉強するにもコピペからですしね。