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更新2022/06/14
LEDは、明るくしたり暗くしたりと輝度制御が必要な場合も多くあります。
特に最近の照明機器は、リモコンで明るさを調整できるようになっているものも多く、明るさの制御機能は必須となっています。
ある時は、暗く、ある時はまぶしいほど明るく。
また、妖しく光が変化していく・・・というインテリア照明も最近はよくみかけますね。
要は、調光という機能なのですが電子回路的なやり方は大きく分けて2通りです。
アナログ方式と、本章で説明するLEDをパルス電圧や電流で駆動するPWM方式です。
PWM方式は、パルス幅変調の英記略(Pulse width modulation)です。
具体的には、一定周波数のパルスでLEDに印加する電圧(または電流)をオンオフします。
そして、パルス1周期中のオンとオフの比率を変えることでLEDに印加される平均電圧(電流)が変化するので見掛け上の明るさを可変することができます。
パルスの周波数は、ちらつき防止のために最低でも50Hz以上、通常はそれ以上の数百Hzや数KHzとします。
このPWM方式は、駆動する回路が簡単で、マイコンでPWMパルスを生成すればソフトウエアで明るさを制御できるため、簡単に輝度制御したい・コストをかけたくない場合など広く使われています。
ソフトウエアで、オンの比率(デューティ比)を細かく変えることで滑らかに点いたり消えたりする輝度制御が可能です。
参考:マイコンの基本 内蔵PWMでイルミネーション
LEDを、オンオフという極端な状態(飽和状態)で使うので、駆動回路部分の電力消費が非常に少なくなります。
そのため、PWM方式はオンオフ用駆動回路を簡単に小さくできるということがあげられます。
つまり、LEDに必要な電流を流すことができれば、電力定格の小さい小型の安いトランジスタを使用することができるということです。
この点はコストに直結するので、企業にとっては非常に大事なポイントです。
また、副次的な効果としてトランジスタで消費する電力が小さいということは、トランジスターの部品信頼性も大幅アップし、放熱が小さいので装置全体を小さくすることも可能になります。
メリットの多いPWM方式ですが1つ大きな欠点を持っています。
それは、ノイズです。
パルス電圧(電流)を扱うということは、大まかにいうとパルス周波数の10倍程度までの周波数のノイズを周囲に放射します。
電波として放射することはもちろんのこと、同じ装置内の他の電子回路の電源にパルスノイズが侵入しやすくなります。
例えば、1kHzのパルスでPWMを行ったとすると、ノイズは1kHzから10kHzまで漸減しながら放射されます。(なぜかというのは、専門書をどうぞ)
原理的には、無限大の周波数までなのですが、10倍程度でほぼ周囲に影響を与えるレベル以下になるというだけです。
場合によっては、20倍や30倍の場合もありえます。
もし、近くにラジオがあったり、電源性能の弱い(=ノイズを吸収しきれない)電子回路があると、ノイズが侵入して誤動作を起こす原因になります。
この対策は、パルス周波数を変える、パルスの立ち上りを滑らかにする、受け側の対策はノイズの侵入をカットする部品(コイル・コンデンサ等)を入れるなどあります。