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更新2023/11/07
LED電子工作品の困った問題で最も多い「点灯しない」のよくある原因のいくつかを解説します。
点灯しないという現象の原因は非常にシンプルです。
LEDに電流が流れていないことを示しています。
LEDは決まった方向に電流を流せば、何が起きるかは別として必ず光る素子です。
その必ず光るはずの素子が光らないということは、何らかの原因で電流が流れなくなっているわけです。
もちろん、焼き付いて断線・壊れた場合も電流は流れないので同様です。
<LEDの極性が逆)>
上記回路ではLED1が逆になっています。
LEDはダイオードの一種ですので、逆に配線されると電流は流れなくなります。
電流が流れないので当然光りません。
また、逆に配線されたLEDに電源電圧がそのまま印加されるため、LEDの耐えられる電圧を超えLEDが壊れる可能性があります。
<電源の極性が逆>
電子工作でよくあるミスですが、電源自体の極性を間違えています
電流が流れないので当然光りません。
また、LED1やLED2の耐えられる電圧を超えてしまうため、LED1やLED2が壊れてしまう可能性があります。
参考:LEDの第一歩
<定電流ダイオードの極性が逆>
CRDの極性が逆になっているため、定電流とならずにCRDやLEDに過電流が流れて壊れてしまう可能性があります。
<LEDが並列接続されている>
LEDを並列に接続すると特性の微妙な違いによりLED1と2またはLED3と4のどちらか一方が点灯しない可能性があります。
参考:LEDの並列接続
<断線している・接触不良・半田付け不良>
自分で配線する場合によくある原因です。
半田付けに慣れていないと、半田が十分に溶けてないなどで接触不良を起こすこともよくあります。
また、電線同士をテープだけで接続した場合などでも接触が不安定なためよく起こります。
参考:電子工作が動作しない理由
<配線が短絡している>
上記ではLED1とLED2の中間部分が電源のマイナスに短絡しています。
このような場合、LED2に電流が流れないのでLED2は消えてしまいます。
配線は正しいとなった場合は、回路要素のパラメーター設定がおかしい可能性があります。
よくあるのは、制限抵抗値が大きすぎて、LEDが光るだけの電流を流していない場合があります。
これは、定電流値の低い定電流ダイオードを使ってしまった場合も同じです。
LEDは順方向電圧(Vf)といって、光るためには一定の電圧が必要になります。
つまり直列にN個接続されたLEDがあるとすると、光るためには必ず以下の式を満足しなければなりません。
(LED順方向電圧×N) < 電源電圧
例えば、電源12V、順方向電圧Vfが4Vの青色LEDを3個直列にした回路は
4V×3ケ > 12V ・・・・NG
式を満足できないため、光るだけの電流を流すことはできません。
厳密にいうと電源電圧と同じ電圧なので、LEDの特性のばらつきによっては光ったり光らなかったりします。
この場合は、Nを2ケにすれば
4V×2ケ < 12V
となり、式を満足することが可能となります。
電源電圧が低いと、当たり前ですが光らないという現象が発生します。
例えば、電源12V、順方向電圧Vfが4Vの青色LEDを2個直列にした回路は
4V×2ケ < 12V
で、光りますが、この12Vが7Vになると
4V×2ケ > 7V
光るための条件を満足できなくなります。
光る条件が満足できない場合は、LEDに電流が流れないため光りません。
この現象は、
・電源オンした時に一瞬だけLEDが光って消え、その後は電源を入れなおしても点灯しない
・LEDが、本来の色以外で光り、熱くなって消えた
・LEDや制限抵抗器から焦げた臭いがする
など、いずれかの特徴があります。
原因は、過電流です。
制限抵抗がないような極端な場合は、光って見える間もなくLEDが焼き付いて消えてしまうこともあります。
見た目で破損・断線がわからない場合も多く、部品を交換して初めて分かることもある大変やっかいな原因です。
過電流の原因は、配線短絡・制限抵抗の値が小さすぎる・電源電圧が高すぎることなので、配線の見直しと適正な各値を計算して使いましょう。
本章では「点灯しない」について、よくある原因のいくつかを説明しました。
自分の電子工作品が光らない場合は、LEDの基本回路に沿って作られているか・パラメータはあっているかを地道に見直しましょう。
参考:電子工作が動作しない理由